Think Complexity日本語翻訳プロジェクト

Allen B. Downey著「 Think Complexity 」の和訳プロジェクトです。

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概要

複雑性科学、データ構造とアルゴリズム、中級レベルのPythonプログラミング、科学哲学についての本です。

  • データ構造とアルゴリズム:データ構造は、ある特定の操作に適したデータ要素の集まりのことを言います。例えば、辞書はキーから値への高速な検索を可能にするようなキーと値ペアの集まりです。しかし辞書では一般的に、値からキーの検索(逆引き)は低速になってしまいます 。 アルゴリズムとは計算を行う機械的な操作のことです。効率的なプログラムのデザインは、データ構造とそれを扱うアルゴリズムの共進化を伴うことがしばしばあります。例えば、この本の最初のいくつかの章はグラフについて書かれていますが、それらのグラフは、入れ子になった辞書として素直に実装でき、グラフを操作するためのいくつかのアルゴリズムを伴います。
  • Pythonプログラミング:Pythonプログラミングについては、 Think Python という本を参考書として挙げておくだけにします。この本の読者は、Think Pythonを読むか、Think Pythonに書かれていることと同等のPythonの知識を習得していることが期待されます。多くのプログラミング言語に共通の事柄を強調するよう心がけましたが、Pythonに固有のいくつかの便利なテクニックについても紹介します。
  • 計算モデル:計算モデルとは、シミュレーションや解析に有用な、あるシステムの簡単な記述のことです。計算モデルは安価で高速であるという計算の持つ特性を活かすように設計されます。
  • 科学哲学:この本に紹介されているモデルとその結果は、自然の中に潜む科学的な法則や、理論の選択、現実主義、道具主義、全体論、還元主義、ベイズの認識論を含む科学の哲学について、いくつもの疑問を投げかけるでしょう。

この本は、グラフやセルオートマトン、エージェントベースモデルを含む離散モデルに焦点を当てています。これらは数式よりもむしろ構造、規則、変形によって特徴付けられることが多いです。そして、連続的なモデルよりもより抽象的になる傾向があります。物理システムとモデルの間に直接的な対応関係が無いということもあります。

複雑性科学は学際的な分野です。数学、計算機科学、物理学の交差点であり、そのような分野に焦点を当てています。以上がこの本の内容です。

無料の本について! この本は、 Creative Commons Attribution-NonCommercial 3.0 Unported (CC BY-NC 3.0) というライセンスに基づいてライセンスされています。これはこの本がコピー可能であることを意味していて、非営利である限り改変や配布を行うことができます。(訳者注:ライセンスの日本語訳についてはここを参照してください。)

原文のLaTeXファイル(図とMakefileを含む)を こちら からダウンロードすることができます。

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